狂乱が静まったと思ったら
ネオヒルズ族が2014年を境に表舞台から消えると、入れ替わるように新しい熱狂が始まりました。YouTuberです。
事実2014年、YouTubeは「好きなことで、生きていく」というコピーで、人気クリエイターを起用した広告キャンペーンを国内で展開しました。駅や街頭、テレビにまで広告が出て、「YouTuber」という職業が一気に一般に知られるようになりました。
あこがれの見せ方が更新された
| ネオヒルズ族 | YouTuber | |
|---|---|---|
| 見せたもの | 高級外車、タワマン、札束 | 自由な暮らし、楽しそうな企画、知名度 |
| 印象 | 露骨な金持ちアピール | 身近で好感の持てる成功 |
| 入口 | 高額塾・商材の購入 | スマホ1台で始められる |
入口は格段に低くなりました。お金を払わなくても始められる。それだけに、無数の若者が参入しました。
収益化できるのはごく一部
実際に生活できるだけの収益を得たのは、ごく一部です。再生数を求めて過激な企画に走り、炎上する人。学業や仕事を捨てて動画投稿に打ち込み、何も残らずに挫折する人。参入の手軽さの裏で、競争は過酷でした。
そして「YouTube攻略塾」
ここでも、稼ぐ方法を教えるという高額のスクールやコンサルが現れます。プラットフォームがアフィリエイトからYouTubeに替わっただけで、情報商材ビジネスはそのまま再生産されました。
プラットフォームそのものの不健全さ
論評YouTubeは露骨な詐欺ではありません。けれど、仕組みそのものに別の種類の毒があります。
- 注目の奪い合い:視聴時間を伸ばすものが優遇されるため、丁寧な動画より、刺激の強いタイトルや怒り・不安をあおるサムネイルが有利になりやすい。
- 数字に縛られる作り手:再生数と登録者数で常に評価され、「落ちたら終わり」という強迫観念から、過激化ややらせに走る人が出る。
- 依存を生む設計:短い動画と自動再生が延々と続き、時間と集中力を奪う。
エンタメや情報発信の顔をしているぶん、気づかないうちに時間と心を削っていく。その意味では、ネオヒルズ時代の詐欺的な商売より根が深いのかもしれません。