PART 3 売られていたもの

胴元としての情報商材ASP

インフォトップのこれまで。決済と手数料を握った大手ASP。上場企業の傘下に入り、社名を変えるまで。

個人の自前ASPと、大手の情報商材ASP

自前ASPが乱立する一方で、情報商材の流通の中心にはずっと大手のASPがありました。代表格が「インフォトップ」と「インフォカート」です。審査のある電子書籍の販売プラットフォームという顔を持ちながら、情報商材ビジネスにとっては欠かせないインフラでした。

大手ASPが果たしていた役割

当時、個人がカード会社と直接契約してネットで決済を受けるのは簡単ではありませんでした。大手ASPは、決済代行、商品の配信、アフィリエイト報酬の自動分配をひとまとめにして提供しました。売る側は登録するだけでカード決済を使え、紹介する側は登録するだけで報酬を受け取れる。

そして取引が成立するたびに、手数料が確実に入ります。商品の中身が良くても悪くても、売れさえすれば胴元は損をしない構造です。

論評当時のランキング上位には、赤字と太字で埋め尽くされた縦長のセールスページ、カウントダウンタイマー、「限定◯名」、達成が難しい条件付きの返金保証を掲げた商材が並んでいました。販売価格の半分以上を報酬に回す商材も珍しくなく、高い報酬に引き寄せられたアフィリエイターが、ネット中にレビュー記事やあおり記事を量産しました。「情報商材の買い方・稼ぎ方を教える情報商材」のような入れ子構造の商品もありました。

インフォトップのその後

事実2015年、東証上場のアエリアが株式交換によってインフォトップキャピタルを子会社化し、その子会社だったインフォトップもアエリアのグループに入りました。同年9月4日、アエリアはインフォトップが2015年11月1日付で親会社と合併し、社名を「株式会社ファーストペンギン」に変えると発表しています。社名は、天敵が待つかもしれない海に最初に飛び込むペンギンに由来すると説明されました。

2000年代から続いた情報商材ASPは、上場企業グループの一員として事業を続けることになりました。「インフォトップ」の名前もサービス名として残っています。

個人と大手の違い

自前ASPで消えていった個人と、上場企業の傘下に収まった大手。両者の違いは、扱っていた商品の中身よりも、決済と手数料の流れを握っていたかどうかにありました。ゴールドラッシュで最も確実に儲けたのは、金を掘った人ではなく、つるはしを売った人だった。よく引かれるこのたとえが、そのまま当てはまります。

出典